ぺこりの建築基準法に関するブログ

特定行政庁職員による建築基準法などに関するブログです

竪穴区画の必要性について その2

     

 

 

対象は主要構造部を準耐火等にしたものになります。したがって、ロ準耐は対象とはなりません。

これは、構造上、竪穴区画ができないため、免除されているのであって、竪穴区画をしなくても安全というわけではありません。階段室は避難施設といわれる避難経路のなかでも廊下と合わせて非常に重要な部分となります。火煙を階段室にいれないという点で、竪穴区画を形成したいですよね。

竪穴区画の補足ですが、12項と13項のメニューが追加されてます。

12項では、3階を病院、収容施設あり診療所、入所系児童福祉施設等の用途に使っていて、建物ボリュームが3階建で延面積が200未満であれば、間仕切り壁と防火設備で区画することが定められてます。更に居室等にスプリンクラーがあれば、防火設備(法2条9号のニロ)でなく10分間防火設備を選択することも可能です。

13項では、3階を法別表第一(い)欄(二)項に掲げる用途に使っていて(12項の用途を除く)、間仕切壁又は戸(ふすま、障子その他これらに類するものを除く。)で区画することが定められます。

最後に

火災などの災害時には、原則としてエレベーターは使えません。ほぼ階段を使って避難階または地上へと降りて行きます。(避難だまりとなりうる屋上広場があれば屋上に逃げて救助を待つというのもあるかもしれませんが…)

火災の煙は想像以上に視界を奪いますし、一酸化炭素は体の自由を奪います。人は命の危機が迫ると気が動転して正常な判断なんて取れない可能性が高くなります、煙が充満した真っ暗闇のなかで階段に向かって走れますか?床には障害物があるかもしれません、先にある誘導灯を認識できるとは限りません。そして、全ての建築物に排煙設備が付いているわけではありませんし、避難経路を守るのが竪穴区画なのです、安易に緩和を考えずにしっかりとした区画を設けて頂きたいと思います。

令112条は、度々改正があり、この記事は、令和3年末に書かれたものです、今後の改正により変わる可能性があります。